この記事は医療職・介護職の方にもわかりやすく、投資がなぜ必要なのかをわかりやすく解説しています。
投資初心者で始めてみたいけど、投資って怖いな〜…
貯金だけじゃダメなの?
といった方に興味や疑問をお持ちの方にオススメの記事です。
「投資は怖い」と言った方の中には「投資でお金が無くなったりするのでは?」とお思いの方がいらっしゃるかと思います。
投資と言ってもリスクが大きいものもあればリスクが少なく手堅くできるものも存在します。
また岸田政府も「資産所得倍増計画」を表明したりと、投資を促す方向へ舵を取られており投資の波が日本にも広がりつつあります。
この記事で投資は怖いものではなく、自身のライフプランや目標を叶える一つの選択肢として活用してみてください。
この記事の結論(まとめ)
①日本経済の低迷により、個人の稼ぐ力(勤労所得)が伸び悩んでいる
②日本は預貯金率が高く、米国は逆に投資率が高い
③預貯金だけではインフレ等に対応しづらく、分散投資によりリスク回避しやすい
④岸田政権による「資産所得倍増計画」表明により、投資がしやすい環境になりつつある
目次
投資がなぜ ”今” 必要なのか
最近よく投資の話を聞くけど、なんでそんなに投資した方がいいんだにゃ?
貯金してればいいんじゃにゃいの?
投資に”怖いイメージ”をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、最近はNISAやiDeCoなど非課税制度を活用していきましょうと国も推奨しています。
なぜそんなに投資が必要なのか。わかりやすく解説していきます。
日本経済の停滞による影響
まず初めに投資の前段階の話として、貯金や投資するためには生活費以外の余剰資金が必要です。そこで日本の収入について簡単に解説します。
世界的なインフレの影響で、私たちの身の回りのものの価格高騰が続いています。にも関わらず給与が上がらないことで不安を抱えている方が多いとことでしょう。日本は1990年代のバブル崩壊後は経済は低迷。「失われた30年」と言われる中で、実際に日本は世界と比較し経済状況はどうなのでしょうか。
OECD(協力開発協力機構)のデータをもとに解説していきます。
日本経済成長率はG7中 最下位
●OECD 各国平均賃金(2021年・ドル換算)
最も賃金が高いのはアメリカ(緑棒グラフ)で74,738ドル(約880万円)です。OECDの平均(黒棒グラフ)は51,607ドル(約612万円)に対し、日本(黄色棒グラフ)は平均より少ない39,711ドル(約477万円)となっています。主要7カ国(G7)においても最下位となっているのが現状です。
日本の平均賃金推移は横ばい
●G7各国の平均賃金の推移(1990〜2021年・ドル建て)
日本は1990年当時は英国やフランスよりも給与は高水準でした。しかし30年後の2021年と比べると日本の平均賃金はわずか3,000ドル(約36万円)しか増えていません。アメリカに関しては同じ30年間で27,000ドル(約324万円)も増えていることがわかります。その他カナダ、ドイツ、フランスも10,000ドル(約120万円)以上増えている状態です。
それだけ日本の経済状況は停滞し、働いている労働者の賃金も30年間ほぼ上がっていないのが現状のようです。理由はさまざまありますが、平均賃金が上がらないと言うことは、それだけ日本は貯蓄がしにくい環境と言えるでしょう。
日本と米国による投資格差
金融庁が公表した「金融レポート」のデータによると、金融資産の増え方で日本と米国で大差が生じている。日本と米国の家計金融資産の増え方を見ると、1995年比で日本が1.54倍だったのに対して、米国は3.32倍に増えています(下図)。
日米の家計金融資産の推移
出典:金融庁「平成28年事務年度金融レポート」
この差については家計の金融資産構成比の違いが要因と言われています。
日本銀行が2020年8月に公表したデータをもとに日米の家計金融構成を比較します。
日米の家計金融資産構成
出典:日本銀行調査統計局「資産循環の日米欧比較」(2020年8月発行)
図で示している通り、日本は預貯金の割合が50%を超えていますが、金融資産となる株式や投資信託は合計で13%にとどまっています。
一方米国は株式と投資信託の合計45.8%と日本の預貯金に近い数字となっています。
簡単に言うと
日本は預貯金で資産を形成し、米国は投資で資産を形成している
と言うことになります。
米国では勤労所得(働いていた所得)だけでなく、資産所得や投資の運用により所得を得る手段を積極的に取り入れています。逆を言うと日本は勤労所得で得た所得を預貯金としてそのままにしておく傾向が強いとも言えます。
日米で投資や資産形成による考えは違うものの、米国は金融資産を積極的に活用し自身の資産を増やしていることは日本人も見習うべきことだと言えます。
日本の経済は停滞していて、所得も上がりづらいゴリね。
日米で金融資産や投資に対する考え方がこんなに違うとは知らなかったな!
米国では学校でも資産運用の授業があるくらいです。
日本人は「安全志向の強さ」があり、預貯金に頼りやすい傾向にあります。
次に預貯金について解説します。
超低金利時代とインフレ
マイナス金利政策
この記事を見られている方は預貯金の金利がいくらかご存じでしょうか。
ご存知の方も多いとは思いますが、普通預金金利は「0.001%」です。金融機関により異なりますが、現在はこのような金利水準が標準と言っても良いでしょう。
20年前は普通預金の金利が2%を超える時代もありました。例を挙げると100万円を預金すれば年間2万円の利息を受け取ることができたと言うことです。
現在は年間たったの1年で10円の利息です。
さらに日本は「マイナス金利政策」をとっているため、今後も金利が低い水準が続くと言われています。
前述のように預貯金を持っているだけではお金が増えない時代になっていますが、低金利とは言え預貯金を持っていれば額面自体は変わりありません。しかしながら預貯金(特に日本円)だけではカバーできない理由もあります。
インフレの進行
インフレ(inflatyon)とはモノやサービスの価格(物価)が継続して上昇することです。私たちが生活を送る上で欠かせない食料品や日用品、ガソリン、サービスなどの物価が少しずつ上がっていることは昨今の”値上がり”でお気づきかと思います。
一概にインフレが悪いわけではなく、好景気になり物価上昇に伴い、消費の循環が良くなり労働者の賃金も上がることもあります(良いインフレ)。しかしながら悪いインフレ(スタグフレーション)となれば、物価高>消費高となるため景気が低迷してしまうリスクもあります。
そこでリスクが高くなってしまう方は、日本の銀行にしか資産(預貯金)を保有していない方です。この場合、日本の景気が低迷した際は資産額は変わらないのにも関わらず物価高が高くなっているためお金の価値が下がっていることになります。
一方で米国やその他海外の国が好景気に転じた場合、米国株や海外株式の投資信託などで資産を分散しておくことでリスク回避につながります。これを分散投資と言います。
このことから「安心・安全の預貯金」という考えから、「資産を自分でコントロールする」考えに切り替えることが大切と言えます。
最近はなんでも値上がりしているゴリ。
バナナも値上がりしてて大変だゴリよ。
景気がどう転んだとしても、ご自身の「資産を守る」ための対策としても投資がオススメと言えます。
岸田政権「貯蓄から投資へ」
Photo:DanKitwood/gettyimages
資産所得倍増計画の表明
岸田首相が5月に英国の金融街シティーで開かれた講演で、「資産所得倍増を実現する」と表明しました。
資産所得って?
ここでいう資産所得とは給料とは異なり、株式等の配当から得られる所得のことを指します。
この表明の背景には、個人の資産における投資比率の低さと預貯金率の高さが挙げられます。
日本経済新聞によると2021年度末の個人の家計金融資産は前年度比2.4%増の2,005兆円で過去最高を記録しました。内訳として54.3%の1,088兆円が預貯金という結果となりました。
家計の金融資産に占める預貯金比率は、前述したように米国は1割、欧米で3割ということなので、日本は5割超で投資の面で遅れをとっています。
投資が進んでいない理由として以下の3点が挙げられます。
投資が進んでいない理由
①日本人特有の安定志向の強さ
②金融リテラシーの低さ
③貯金だけで十分資産形成できた
高金利時代の流れが残っている
そこで岸田首相も注目し、「貯蓄から投資へシフトを大胆・抜本的に進め、投資による資産所得倍増を実現する」と表明したのです。
具体策な施策
具体的にはNISAの抜本的拡充や預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組みの創設が掲げられました。
政府の施策として、以下の5点が提案されました。
資産所得倍増計画 提言
①具体的な目標数値の設定
②実践的な金融経済教育の推進
③NISA、つみたてNISAの抜本的拡充
④DC、iDeCOの改革
⑤資産形成を促すための措置の導入
③NISAに関しては、現状投資可能期間の年間拠出額の上限が定められている状態のため、恒久化や上限額引き上げが検討されています。
また④iDeCoに関しても政府が加入対象年齢を現状の65歳未満から引き上げるなどの改革を検討しています。
NISA、iDeCoに関する詳しい記事はこちらから
iDeCo
実践的な金融教育の推進
先ほどの資産所得倍増計画の提言のうち②実践的な金融教育の推進とは、全世代への金融教育への実施を目標とするもので、政府がその目標のための法制度を整備し、より国民に投資を促していく流れを推進していくということです。
つまりは学校教育で英語などと同様に金融教育の時間が設けられたりしていく可能性が高いということです。
学校の授業で習うようになれば、より投資が身近なものになりそうだゴリ!
まとめ
結論(まとめ)
①日本経済の低迷により、個人の稼ぐ力(勤労所得)が伸び悩んでいる
②日本は預貯金率が高く、米国は逆に投資率が高い
③預貯金だけではインフレ等に対応しづらく、分散投資によりリスク回避ができる
④岸田政権による「資産所得倍増計画」表明により、投資がしやすい環境になりつつある
「なぜ”今”投資が必要なのか」を解説しましたが、すでに2024年にNISAは新制度へ変わる予定です。
今後益々投資を推奨する施策を講じてくる可能性があるので、ご自身の資産を守る対策として活用してみてください。
投資を始めたい方はこちらの記事から、投資の始め方やポイントをまとめていますので↓をチェックしてみてください。
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