この記事は医療職・介護職の方にもわかりやすく、投資の仕組みや資産運用の基本をわかりやすく解説しています。
投資初心者だけど、始めてみようかな〜。
投資にはどんな方法があるの?
といった方にオススメの記事です。
投資初心者の方の多くは「やってみたいけど投資と聞くと気が引ける」、「お金が減ってしまうのが怖い」といったイメージの方が多いです。
投資の種類にもよりますが、確かに投資の中でもハイリスクな投資もあればローリスクで手堅いものも存在し、リスクとリターンを知っておけばご自身の資産を増やす一つの手段ともなります。
そこで今回は資産運用に必要な初心者向けの知識をわかりやすく解説していき、投資に対する疑問の解決策をご紹介していきます。
それでは西嶋くん。
解説よろしくにゃ!
はい!よろしくお願いします!
この記事の結論(まとめ)
①投資は年代により「リスク・リターン」を考える必要がある
②資産を3つに分け(短期・中期・長期的資産)、使い方を明確にする
③初心者は「長期・分散・積立投資」がオススメ
④非課税制度の「つみたてNISA」の活用がオススメ
目次
資産運用の基本とは
資産運用とは自分の持っているお金を預貯金や株式、債券などの金融商品で運用し、効率よく資産を増やしていくことです。さまざまな方法がありますが、貯蓄と投資のバランスが大切で、年代によってもバランスは変わってきます。
そこでまず資産運用方法のポイントを解説し、ご自身の年齢や貯蓄額を参考にしながら対策を考えてみましょう。
リスクとリターンを理解する
投資にリスクとリターンはつきもので、正しく理解し許容範囲内で実践していくことが大切です。
リスクとリターンを簡単に説明すると
「リスク」とは
リターンにどの程度ばらつきがあるかの振れ幅
「リターン」とは
投資を行うことで得られる損益
ということになります。
上の図で示す通り、リスクが大きい投資対象ほど期待できるリターンは大きく(ハイリスク・ハイリターン:緑線グラフ)、リスクが小さい投資商品対象ほど期待できるリターンは小さくなる(ローリスク・ローリターン:青線グラフ)傾向にあります。
基本的にこの関係性はどの金融商品もほぼ当てはまり、安全性と収益性は相反関係にあるということになります。
次にリスク別に投資対象を見ていきましょう。
上の図のように、株式や債券など投資対象によってリスクとリターンは大きく異なります。
投資信託や暗号資産、FX等も組み入れるとさまざまなタイプがあり、それぞれリスクとリターンに特徴があります。
また投資する地域(先進国か新興国など)や通貨(ドルやユーロなど)によってもリスクとリターンは異なってきます。
投資と言ってもリスク別で見たら幅広いゴリね。
これは知ってないと怖いゴリね。
リスクとリターンの関係性は表裏一体となっているため、ご自身の年齢を考慮しつつ、投資の目的を明確にしていく必要があります。
”時間軸”でお金を管理
財布を3つに分ける
どのくらいのお金を貯蓄として預貯金でおいておき、どのくらいのお金を投資に回せば良いのか。それは「時間軸」により変わり、時間軸で管理していく考え方があります。短期、中期、長期の3つに分けてみましょう。
短期的資産=流動性
短期的なお金とは、
日々の生活に使うお金、緊急時(ケガや入院等)に必要なお金のことで、これを生活予備資金ともいいます。
ここで重要なことは流動的なお金であることです。つまりすぐに現金化できるものとなります。預貯金や普通預金がこれに当たります。
例えば病気で入院した場合に一時的に収入が入らない状態になったとしても、預貯金としてある程度の保有額があれば生活が続けられるということです。
目安の金額としては
短期的資産(生活予備資金)
= 1ヶ月の支出額 × 6ヶ月分
となります。
生活予備資金を蓄えておくことで、突発的なことが起こったとしても、ある程度は対応できるはずです。6ヶ月では不安な方は1年分を目安に貯蓄しても構いません。
ならまずは生活予備資金を優先的に確保してから投資をしないとね!
生活予備資金が貯まった方が、次の中期的および長期的資産へと投資をするタイミングとなります。
固定支出を抑えて、最短で生活予備資金を貯める方法はこちらから
→生活予備資金の貯め方
中期的資産=確実性
中期的なお金とは
=この先10年以内に使う予定のあるお金
をいいます。
例えば、自宅購入のための頭金や子供の学費等が挙げられます。
ここで重要なのは「確実性」です。使う時期や金額がある程度決まっているので、定期預金や国債等のリスクの少ない貯蓄性の高い商品で保有するのがオススメです。収益性は求めずに「貯めておくこと」が重要になります。
もし仮に使う予定のあるお金でリスクの高い投資商品を運用してしまったらどうでしょうか。
投資商品は毎日価格が変動するため、いざ現金化しようと思った時に2008年の金融危機や最近のコロナショックのようなことが起こっていたら、必要な資金が用意できなくなる可能性があります。
なら中期的資産は貯蓄として貯めておくことがポイントなんだにゃ。
覚えておくにゃ。
長期的資産=収益性
「長期的なお金」とは
10年先まで使う予定のないお金のこと
を指します。
ここではお金を投資商品で運用していくことがオススメです。長期的なお金で重要視されることは「収益性」です。
先ほどご紹介したリスク別の投資対象の中でも、ミドルリスク・ミドルリターンである投資信託、株式、不動産投資がオススメとなります。
またハイリスク・ハイリターンであるFXや暗号資産は値動きが激しいため投資初心者には難しいためお勧めではありません。
「長期投資」のメリット
長期投資とはその名の通り、長期的に投資を継続することで、安定した収益の獲得を目指す投資スタイルのことです。
具体的には10年以上を目安に同じ金融商品を保有し続けることを指します。
最大のメリットは
①元本割れのリスクが少ないこと
②収益が安定しやすい
が挙げられます。
以下のグラフで解説します。
こちらは過去30年間で投資保有者の投資利益率になります。
投資1年目〜10年目までは最低利益率(黄緑)を見るとマイナスに落ち込んでいる部分があります。この部分が「投資した元本※がマイナスになる確率」です。
※元本=初めに投資した金額。トータルで投資した金額のこと。
一方で15〜30年を見ると、最低利益率がマイナスの部分がなく、プラスの部分に位置します。
何を意味するかというと、15年以上保有することで元本割れになるリスクがなくなるということです。そのため収益化しやすく初心者にもオススメの投資法と言えます。
また長期投資・短期投資がオススメの方を上げると以下になります。
長期投資がオススメの方
①投資初心者
②老後のために資産形成をしたい方
③忙しくて投資に時間をかけたくない方
短期投資がオススメの方
①投資の知識がある中級者以上
②短期間(3年以内)に資産を増やしたい方
③時間に余裕のある方
短期投資は値動きが激しく、また管理する能力や知識が必要となり、中級者以上向けとなります。
その点で長期投資は商品を購入すればほぼ放置状態でも長期的に見ると利益が狙えるため投資初心者向けと言えます。
資産形成のための投資は、資産を分散し、できるだけリスクをコントロールしながら、かつ長期的に保有していくことが重要です。その観点から投資初心者の方は非課税制度のNISAを活用し、10年以上使うことのないお金で資産形成をしていくのが鉄則と言えます。
なるほど!
使う時期に合わせて管理していくことが重要ゴリね!
その通り!
さらに投資をすると現金化する場合、利益の20%課税されるけど、NISAは非課税になるから活用することをお勧めします!
年齢ごとに資産を配分する
分散投資とは、その名の通り保有している資産を分散してリスクを回避する方法です。
先ほどご紹介した短期・中期・長期資産に分ける方法を解説しましたが、どの年代にも当てはまるものではなく、年齢によりライフイベントや必要なお金が変わってきます。
そこで年代ごとで資産を分散することにより、仮に世界情勢が変化(インフレ、景気後退など)した場合でもリスクが少なく、さらに対策が講じやすいとも言えます。
では分散投資の方法について解説します。
分散投資の”組み合わせ”
分散投資を行うにあたって、重要なことは一つです。それは
「リスク資産 × 安全資産」 の組み合わせ
になります。
リスク資産と安全資産とは
リスク資産
投資信託や株式投資、不動産投資などのリスクがある資産
安全資産
預貯金や国内債権などリスクが少ない資産
のことを指します。
リスクとリターンでも話したように、ローリスクローリターン(短期〜中期的資産)の金融商品は安全資産。
ミドル〜ハイリスク・ミドル〜ハイリターン(長期的資産)の金融商品はリスク資産に該当します。
以下の図のようになります。
このように年齢別に配分していくことで、リスクを回避することにつながります。
年齢別:資産配分の目安
それではこのリスク資産と安全資産の年齢別での資産の配分した一例をご紹介します。
表とグラフにまとめたものは以下の図とグラフになります。
リスク資産(水色)と安全資産(黄緑)が年代別により比率が変わっているのがわかります。
あくまで一例ですが、年代ごとでどんなリスクを取れるのかを見ていきましょう。
25歳未満(リスク資産80%:安全資産20%)
持っている資産額は少なく、自分が養う必要がある家族もいないことが一般的です。こうした方はリスク資産の運用がオススメです。
リスク資産は長期的には高いリターンを得られるものの、短期的には変動が激しいのものがほとんどです。そのため25歳未満の若い方は今後長期間資産運用できる時間があるため、リスク資産による理論上の高いリターンを享受できる可能性が高い年代です。
短期的な損益よりも長期資産(リスク資産)に割合を高く保ち資産運用していくことがポイントとなります。
まずは短期的資産(生活予備資金)を貯蓄し、中期的資産と長期的資産をバランスよく保有していくのがオススメです。
25〜34歳(リスク資産70%:安全資産30%)
この年代はまだこれから稼ぐ給料が多く、現在持っている資産の重要性が低い年代とも言えます。しかし、一定の貯金もできており、家族のための備えが必要になっている人の割合も増加します。
攻める資産配分で良い年代ですが、多少は守り(安全資産)の割合を増やすべきです。養う家族がいる方は急なお金が必要になる確率も25歳未満の方より高くなり、必要な金額に個人差があるため注意が必要です。
35〜44歳(リスク資産50%:安全資産50%)
35〜44歳頃からは職業人生の折り返し地点となります。これまで築いてきた資産の重要性が増すとともに、家屋の状況などから今後必要なお金がはっきりしてくる年代とも言えます。
バランスの取れた資産配分での運用が必要となります。
またこの年代になると収入や資産額、今後の必要資金の個人差が非常に大きくなるため、ご自身の状況に合わせた資産配分(未婚の場合はリスク資産多め、進学する子がいる場合は安全資産多めなど)が最も重要な年代です。
45〜54歳(リスク資産40%:安全資産60%)
この年代になると今後稼ぐことができる給料の予測が立てやすい時期になります。家族のために必要なお金も増加していきます。
今後必要なお金に備え、安全資産を貯えるような資産配分をおこなっていきましょう。
55〜64歳(リスク資産30%:安全資産70%)
65歳以上(リスク資産20%:安全資産80%)
この時期になると比率は多少違うものの、安全資産を中心に運用していくことがポイントです。
定年前後である程度の資産を保有している時期でもあるので、その資産をいかに減らさないかも重要になっていきます。
リスク資産の高い収益よりも、短期的な価格変動リスクが大きな懸念事項となるため、年金を補完する形で守りの資産運用がオススメです。
ただし、リスク資産にはインフレリスクへの対応策として位置づけがあるため、一定額は保有を継続することでインフレに対応することが可能となります。
若いうちはリスク資産で攻めた方がいいんだね!
ただし資産の配分にはご自身の年代や状況によって個人差があり、人それぞれ変わります。
紹介した配分は参考程度に、ご自身でしっかり検討することが大切です。
投資商品(金融商品)についてリスク別で解説していますので興味のある方は参考にしてみてください。
→ネット証券口座の開設方法
資産運用の基本 まとめ
①リスクとリターンは相反関係であり、
バランスが大切となる
②短期・中期・長期的資産と分けて、
お金の流れを自身でコントロールする
③長期投資は15年以上で
元本割れするリスクが下がる
④年齢ごとにリスク資産と安全資産の
組み合わせを変える